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外国人地方参政権(大学入試センター試験・現代社会)

大学入試センター試験「現代社会」の試験問題に、外国人地方参政権に関する不適切と思われる問題が出題されたとのこと。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100117/plc1001172302015-n1.htm
問題視される出題について、産経ウェブニュースによると、大学入試センターは多くの「現代社会」教科書の記述に沿って出題した、とコメントしている。
しかし、最近の報道では、多くの識者が外国人地方参政権の違憲性を指摘している。
それに、現在国論を二分しているこの問題について、参政権付与の是非は別にしても(私個人は断固反対です!)、参政権付与反対の意見をもつ受験生に不利な結果をもたらす出題は、教育の中立性に著しく反する。
よって、この試験問題は極めて不適切であり、出題を控えるべきと考える。
この件について大学入試センターはこの試験問題を採点対象から外し、受験者全員に点数を与えるなどの措置を与えるべきである。
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コメント 8

通りすがり

 通りすがりの者です。いきなりですがレスつけさせてください。

 私は今年センター受けました。外国人参政権に関して少し予備知識があったもので迷わず③を選んだのですが、自己採点の際違っていて驚きました。確かに後で④を見ると明らかに不適で④に納得はしましたが……。やっぱりあれ問題だったのですね。

 もともと教育の中立性なんて信じちゃいませんが全国の高校生が受けるセンターにまで介入してきたのには驚きです。残念なことに、同じく現代社会を受験した友人にこのことを相談してみたものの反応薄。どうでもいいと返ってきました……。そんなにどうもいいことですかね? 政治の教育への介入が。

 たぶん友人からすると、「外国人にも投票権あげてもいいじゃんかわいそう。」くらいのスタンスなのでしょうが、このとき私は未来に危険を感じざるをえませんでした。

 私は有権者じゃないので力になれません;; 私の分も外国人参政権にはぜひとも反対を貫き通してください。今の分別ある大人だけが頼りなのだと思います。お願いします。

 長くなりまして本当に申し訳ございませんでした。目を通していただいてありがとうございます。
by 通りすがり (2010-01-30 21:46) 

聖Judyのほうき星

コメントありがとうございます。

センター試験の件、残念です。
私は国立大学教員なので、センター宛に「違憲だと言う説もあるので、教育上の中立性を尊重してほしい」という旨の意見書を出しました。

先日センターから回答が来ました。例の出題内容については「問題なし」と判断するとのこと(川端文科相と同じですね)。
センター試験は高校基礎レベルの学力を問うのが目的であり、本問は多くの教科書に紹介されている最高裁判例をベースに出題した、とのことです。
要するに、教科書を作る時点で問題があるんですね。

例の最高裁判例についてはあとでコメントしようと思いますが、私が見た限り、この判例の主旨は「憲法の主旨などに則って考えると、地方公共団体の首長・議員などを選挙で選ぶのは日本国民である住民である」ということです。だから、外国人に地方参政権を与えるという考えは、憲法に則った考えにはならず、(譲歩しても)憲法違反の可能性が残ります。
このように、外国人参政権が違憲か否かは議論の余地があるのに、センター回答は教科書を盲信せよと言っているようなものであり、そんな高校教育が許されるのか、と思います。
また、例のセンター問題は、外国人参政権反対の意見をもつ受験生に「踏み絵」を強いている印象があり、その点でも不適切です。

外国人参政権反対については、議員から市民団体まで多くの人達が運動を行っています(例えば、「外国人参政権に反対する会」 http://www.geocities.jp/sanseiken_hantai/ )。そういったところで署名するなどして(上記サイトによると、署名は未成年でも有効です)、反対の声をあげる、反対のスタンスをとることが大事だと思います。

これから2次試験も控えられているのならば、風邪を引かないようお身体に気をつけて試験に備えてください。志望校合格を心よりお祈りします。
by 聖Judyのほうき星 (2010-01-31 00:20) 

聖Judyのほうき星

大学入試センター試験(現代社会)の「外国人地方参政権」に関する出題について。
私が上でコメントしたように、現代社会の教科書でこの件に関する最高裁判例が紹介されているという。
その判例とは
「平成5(行ツ)163 選挙人名簿不登録処分に対する異議の申出却下決定取消  
平成7年02月28日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪地方裁判所」
であり、「裁判所」サイト http://www.courts.go.jp/ で検索・閲覧できる。

私が読むところ、この判例の主旨は次のとおりである。
1.憲法第15条第1項では、公務員の選定・罷免は国民固有の権利である、と言っているが、そこでいう「国民」とは日本国籍をもつ人である。
2.憲法第93条第2項では、地方公共団体の首長・議員などは住民が選挙で選ぶ、とあるが、その「住民」は外国人を含むだろうか?それに対する答は、憲法第15条では公務員の選定・罷免は国民固有の権利である(と上述で判断している)こと、そして、地方公共団体は国の統治機構の不可欠要素であることなどから、「住民」はその地方公共団体に住む日本国民と判断する。
3.よって、地方公共団体の首長・議員等を選ぶ権利を日本国民の住民に限定した地方自治法・公職選挙法の規定は、憲法に反しない。

判例の「理由」を読むと、上記2.と3.の間に相当する箇所にいわゆる「傍論」があり、その内容は次の通りである。
地方公共団体の公共的事務で住民生活に関係することは、住民の意思に基づいて行うのであり、それを保障するのが憲法第8章の地方自治に関する規定である。それを考えると、永住権をもつ外国人住民に首長・議員などを選挙する権利を与えても、憲法に反しない。
この傍論が外国人参政権推進の後ろ盾になっているのだが、判例を読むと、その傍論さえも、外国人地方参政権を付与するか否かは「専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない」と釘を刺されている。

結局、この判例の主旨は、憲法の関連条文等に則って考えれば、地方参政権は日本国民である住民の権利である、ということである。
だから、外国人地方参政権を付与しようという考えは、憲法に則った考えにならず、憲法違反の可能性があるとなる。
これをもって、憲法が外国人参政権付与を禁じているという強い主張が言えるかどうかとなると、私も正直断定しかねるし、それでYes/No両意見が出てくるのだろう。
(とはいえ、憲法15条で公務員を選定・罷免するのは日本国民固有の権利だというのなら、地方自治についても、外国人に参政権を与える余地はありえない、と考えるのが自然だと思うが)
こう考えると、この判例をベースに憲法が外国人地方参政権を禁止しているか否かの判断は、大学法学部のゼミならともかく、センター試験受験生に求めるのは無茶だろう。

繰り返しになるが、私自身は、憲法違反の可能性そして行政面への影響などから、外国人参政権付与は断固反対する。

ついでに「傍論」だが、この最高裁判例、文章がとても読みにくい。
ひとつの文章をつらつらと長く続けて、1回読んだだけではとても内容が頭に入らない。裁判の判例はこういう調子の文章が普通なのだろうか?
by 聖Judyのほうき星 (2010-01-31 01:35) 

通りすがり

 ご丁寧なお返事ありがとうございます。

 なるほど教科書が大本の癌だったのですか……。私は踏み絵踏まずに処罰されたわけですね。日本の教育もたかが知れてますね。

 何を以て外国人参政権は違憲でないとしているのかは知りませんでした。まだまだ勉強不足ですね。

 とりあえず2次頑張ります。ありがとうございました。
by 通りすがり (2010-01-31 13:42) 

凍え馬

はじめまして、凍え馬と申します。
外国人参政権に反対の立場の者です。

 この問題のポイントは、高度な政治判断を要する問題を出題してしまったことだと思います。
 教育の中立性の観点から言えば、このような高度な政治判断を要する問題のうち、論争中の問題は持ち出すべきではないと思います。
 たとえば、過去の薬事法の薬局の開設の距離制限に関するものなど、完全にその問題について「決着」がついているものを出題するならば、さほど問題にはならないでしょうし、
逆に、今も論争中の憲法9条と自衛隊の関係の問題を出題するというのは、中立性の観点からいって不適切です。
 ただこの問題に関してだけ言えば、選択肢4の衆議院の小選挙区と比例代表の重複立候補の禁止が明らかに誤りではありますから、設問が解けないということは無いんですよね…
 だから大学入試センターは「問題なし」と通せてしまうんですよね…もしこの問題が外国人参政権の選択肢を選ぶようになっていたとすれば、間違いなくもっと追及できますし、大きく社会問題化することもできたでしょう。
by 凍え馬 (2010-02-01 02:39) 

聖Judyのほうき星

コメントありがとうございます。
「凍え馬」さんのおっしゃる通りだと考えます。
論争中の事項については両論を公平に紹介するのが教育の良心ですし、マークシート式のセンター試験の出題にはなじまないのは当然です。
今回の外国人参政権について、上でコメントしたように、教科書では最高裁判例をもって参政権を容認する説のみ書いてあるようです。
これが本当ならば、偏向教育そのものではないですか。

大学入試センターのサイト http://www.dnc.ac.jp/ を見ると、「試験問題評価委員会報告書」というのがあって、出題問題について教師・問題作成者などが反省会を行っているようです。
数カ月後に今回の入試問題に関する報告書が出るはずなので、注意したいと思います。
「参政権」問題についてはスルーされそうな気もしますが…
by 聖Judyのほうき星 (2010-02-02 00:34) 

凍え馬

 返信ありがとうございます。

 今回の問題において、教育の偏向かどうかの問題は別として、本当に外国人地方参政権が合憲かどうかを考えてみたいと思います。

 まず、法的にはどうなるのかというと、日本国憲法第15条では、
・公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。(一部引用)
と有ります。つまり、公務員を選定する権利は、日本国民にのみあるということです。
そこで、地方議会議員や首長が公務員かどうかが争点となりそうですが、地方公務員法第3条第3項(特別職の規定)で、
・就任について公選又は地方公共団体の議会の選挙、議決若しくは同意によることを必要とする職 (一部引用)
と有ります。つまり、地方選挙によって選ばれるポストは全て地方公務員ということでよさそうです。

 また、例の最高裁判所判例の効力ですが、そもそもこの裁判の結論は、「永住外国人に参政権が無いことは違憲である は NO」ということであって、「永住外国人に参政権を与えることは合憲である」かどうかは全く別問題なのです。
 また、裁判の判決の基準となる法などの集合のことを「法源」といいますが、判例が法源かどうかは今でも論争が続いています。
その上、判例が法源であったとしても、判例はどの法律よりも下位に位置する法源であるとするのが普通ですので、
「永住外国人に参政権を与えることは合憲であるか?」
を争点とする裁判において、「否」という判決を出すことは十分に可能です。
 つまり、この判決の傍論を外国人地方参政権の推進をする強い根拠にするには少し無理があります。

 ですから、「違憲」であることの根拠と「合憲」であることの根拠の強さは前者のほうが強いといえます。
by 凍え馬 (2010-02-03 02:02) 

聖Judyのほうき星

>凍え馬さん
丁寧なご解説、ありがとうございます。
私も最近は、外国人参政権付与の違憲性は、憲法15条と地方公務員法だけで主張できると思ってきました。
また、判例の効力については初めて知りました(私は法学・法律の専門教育は受けていないので)。

by 聖Judyのほうき星 (2010-02-04 00:45) 

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