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上海万博で新潟・山古志村の錦鯉が毒殺されていた

週刊新潮の最新号(11月25日号)に異様な記事が載っていた。
それは、同誌連載の櫻井よしこさんの「日本ルネッサンス」で、そのタイトルは「日本人の愛する錦鯉を毒殺した中国」。

上海万博の期間中、10月の数日間、新潟県山古志村(現・長岡市)の錦鯉が展示されていた。
もともと上海万博では生き物は展示できないことになっていたが、長岡市が掛けあってなんとか特例として認めてもらい、上海万博での錦鯉展示が実現したのである。
展示期間中、大勢の観客が集まって押すな押すなの大賑わいで、みな錦鯉の美しさに感嘆の声をあげた。
こうして、2日半の展示は無事成功した…かに思われた。

事件が起きたのは、10月15日の夜、撤収作業中である。
中国人数人が突然入ってきて水槽を取り囲み、「病気があるので殺す」と言ったのである。
錦鯉は入国時の検疫をパスしており、病気があるとは考えられない。
養鯉業者の必死の抵抗もむなしく、水槽に薬液がドボドボと注ぎこまれた。
途端に錦鯉は痙攣し始め、哀れにも死に絶えたのである。
この鯉は、中越大地震で水槽の底が割れて水が抜けて多くの鯉が死んだ中、かろうじて生き残ったものである。
その後大切に育てられたものを、多くの中国の人に見てもらおうと万博に運び込まれたのだ。

櫻井よしこさんの記事によると、長岡市が交わした契約書には、錦鯉は万博展示終了後は処分するとあり、市も殺処分はやむを得ない条件だったと言っている。
しかし、養鯉業者は長岡市の説明を否定している。
鯉は殺されるとは聞いていないと言っている。
ただ、鯉は持ち帰れないことは聞いており、万博展示終了後は中国の人に可愛がってもらおうというつもりでいたそうである。

とはいえ、錦鯉の殺処分は異様である。
愛らしい錦鯉が泳いでいるところに毒液を注ぎこむとは、常人の感覚では理解出来ない。
それに、錦鯉を手塩にかけて育てるという「職人魂」を理解するという考えが、中国にはないのだろうか。

実は、錦鯉の殺処分の様子はビデオに収められているそうである。
このビデオ、YouTubeにでも投稿して、多くの人に見てもらったらどうだ?
それに、私にはもう「日中友好」という言葉がむなしく感じられてきた。
こんな残酷非道な事が行われているのに、無理して「日中友好」することはないだろう。
他所の国なら、中国製品ボイコットなどのデモが起きるような事件だ。
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コメント 4

ymurayam

それはひどい話です。初めて知りました。
by ymurayam (2010-11-20 21:19) 

聖Judyのほうき星

コメントありがとうございます。
まったくもってひどい話です。
尖閣問題デモの時、この問題も一緒に抗議してもらいたいものです。
by 聖Judyのほうき星 (2010-11-21 00:26) 

通りすがりの者ですが

この件に関しては、一番悪いのは鯉が殺処分になるのを分かっていながら展示を強行した長岡市ではないのかな。

上海万博で動植物の展示が禁じられていたことは、中国へ病原体が持ち込まれること及び、会場で感染しそれぞれの国に中国から病原体が輸出されてしまうことを恐れたからです。昨今の鳥インフルエンザなどの新型が中国南部発であることは世界中で周知の事実でありますし、後に上海万博が新たなアウトブレイクの震源地だったなどという、中国が体面を失う事態は引き起こしたくないと思うのは当然のことです。そういった中で生き物の展示を強行させておいて、その後の処理で中国を悪く言うのはどうかと思います。

さらに、鯉に関して言えば、ここ10年ほど、コイヘルペスの蔓延が世界中で問題になっています。ワクチンも治療法が無く、ひとたび感染した鯉が見つかれば、その池の他の鯉も薬殺するしかありません。検疫で感染鯉が見つかれば、同じ水槽で輸入された鯉は全て薬殺されます。ですから、「愛らしい錦鯉が泳いでいるところに毒液を注ぎこむ」光景は中国に限らず、世界中で見られる光景です。育てた人の目の前で殺してしまうのは無神経すぎるし、さすが中国人とは思いましたが、よくよく考えてみると、中国側の役人は水槽管理のスタッフが鯉を育てた人かどうか知る由もありませんし、長岡市との契約に基づいて殺処分を履行しただけであって、まさか鯉の世話をしている人たちがその契約条項について聞かされていないとは思っていなかったのではないでしょうか。また、中国では鯉は食用でもあり、万が一コイヘルペスに感染した個体がいて、中国内の鯉へと感染したら大変なことになります。役人が役人らしくお仕事をしただけだともいえます。

コイヘルペスが世界中で問題になっていることを養鯉業者が知らないはずはなく、「万博展示終了後は中国の人に可愛がってもらおうというつもり」というのは、失礼ながら、手塩にかけて育てた鯉を守りたいのであれば無責任すぎる態度だと感じました。「日本に持ちかえること」を万博(中国政府)側が許可しないと聞けば、そもそも「中国に持ち込むことにはなんらかの問題は生じないのか。特例で展示を認めてもらえたのはどういう条件を飲んだからか。引き取り先における鯉のための設備費は誰が負うのか。」という疑問は普通ならば浮かぶはずです。長岡市の担当者が中国側と万博後の鯉の引き取り先についての交渉を当然しているだろうと思ったのかもしれませんが、それにしても確認もなく鯉は万博後も生き続けると思いこんだだけですよね。長岡市の担当者は担当者で、鯉が展示後薬殺されることを養鯉業者に知らせていなかった。単なる怠慢なのか、それともそれなら鯉を提供しないと言われることを恐れたのかどうかは知りませんが。いずれにせよ、上海万博において強引に鯉の展示をしたのは、中国市場に錦鯉という商品を売り込むための戦略で、その点においては長岡市も養鯉業者も一致していたでしょう。その思惑のために今回の鯉は犠牲になったと言えます。

はっきりいって中国という国は大嫌いですが、今回のケースは「自分が大事にしているものは他人も大事にするはず」という、日本人側の根本的な勘違いが招いた結果だと思います。あと、「中国市場に進出するためには少々の犠牲を払っても構わない」という姿勢もないとはいえないのでは。中国憎しで目を曇らせ、自らの落ち度や欲が招いた結果をもって、中国叩きの材料にするのはいかがなものでしょう。

お邪魔する身で、長い書き込みになってすみません。

by 通りすがりの者ですが (2010-11-29 14:54) 

聖Judyのほうき星

コメントありがとうございます。
長岡市が養鯉業者に鯉処分のことをちゃんと伝えていたかどうかについては、私も疑問に思いました。
by 聖Judyのほうき星 (2010-11-29 22:24) 

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