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教育のグローバル化

*「my日本」に書いたことをそのまま記します。

哲学者・適菜収氏の週刊文春連載「今週のバカ」。
今回2014年11月6日号は、ノーベル物理学賞の中村修二氏がターゲットである。

その批判の対象はふたつある。
ひとつは青色LEDの特許にまつわる訴訟沙汰。
そして、もうひとつは度を越した「アメリカかぶれ」である。
中村氏いわく、
***
「日本が発展するには一回完全に沈没して古いシステムをがらっと変えないといかんでしょう」
「日本民族だけで日本語しか使わないのではどうしようもない」
「例えば、小学校では英語以外しゃべらないとか。国語も英語にする」
「アメリカは理系社会、日本は文系社会。文系が金持ちの国っていうのは後進国なんですよ」
***
適菜収氏は「なんていうか、絵に描いたようなアホですね」と呆れている。
私も唖然とした。

ノーベル賞級の業績をあげた学者がアメリカに行けば、そりゃチヤホヤされるに決っている(もっとも、中村氏は下積み時代も渡米し、博士号を取らないと一人前の研究者として扱ってくれないと言っているが)。
しかし、アメリカは、学問その他ビジネス、スポーツ、エンターテイメントなどで大成功したごく一部の人達が華麗な生活をする一方、多くの人達が貧困にあえいで、病気になっても健康保険に入っていないから医者にもかかれない国である。
そういう国がほんとうに日本よりも進んだ国なのか?

この「今週のバカ」を読んでつくづく思ったのが、昨今の教育界の「グローバル化」。
最近、「留学」「留学」って、やたらと言われている気がしないか?
そりゃ、若手研究者が海外へ飛び出して研鑽を積むのはいいことだと思う。
しかし、大学に入ったばかりの若い学生が、自分の大学で学習を十分に積まないまま、「留学」すれば箔が付くだろうと海外に飛び出して、何か身につくのだろうかと疑問に思うことがある。
ちゃんと調べたわけではないが、日本の歴代のノーベル賞受賞者は、大学卒までは日本で勉学した先生方が大部分ではなかろうか。
福井謙一氏は留学経験がない。
益川敏英氏に至っては、初めての海外渡航がノーベル賞授賞式である。

藤原正彦氏は、日本は大学院博士課程まで自国でまかなえる稀な国であり、外国では米英などごく少数の先進国だけであると指摘している。
日本だろうが外国だろうが、「学問」をちゃんとすることが大事だと、私は思う。
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