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小笠原諸島での地震

さっきの地震。
考えてみれば小笠原諸島はふたつのプレートの境界の近くにあるから、一般論では地震多発地帯になる。
その割には、小笠原を中心とする地震を体験するのは、今回が初めてのような気がする。

その小笠原と神奈川県二宮町では震度5強と、大変な揺れであった。
テレビを見ていても、小笠原は遠い離島であるせいか、全然現地の映像が入ってこない。
大丈夫なのだろうか?

東大入試の漢字書き取り問題

受験勉強って偏った知識、重箱の隅をつつくような難しい知識の暗記をやたらと要求するというイメージがあるかもしれないが、本当にそうだろうか?
今年の東大入試の国語(現代文)の漢字書き取り問題はこれである。

・カクトクできる
・コウケツな人柄
・イゼンとして

拍子抜けした方もおられるだろう。
この通り、中学~高校程度の問題である。

まあ、中には本当にどうしようもない知識偏重の問題を出す大学もあることにはあるのだが、少なくとも東大入試に関してはそういう認識は正しくない。
それでも疑うのならば、例えば日本史・世界史・地理の問題を一度見てみるがよい(河合塾のサイトに載っている)。
私自身経験者だから言う、少なくとも東大入試に関しては、知識偏重でない、総合的な学力を試す試験である。

学歴社会、いいじゃないか

最近の私はブログに「学歴社会」のことばかり書いて、何事かと思っている方もいるかもしれない。
これは単に、息子が大きくなって受験のことが気になりだして、受験や学歴といったものに関心が高くなったからというだけである。

昨日、就活のノウハウ本を読んだ。
これはQ&A形式の本であり、その中に「企業の新卒採用で学歴差別はあるのですか?」と言う問いに、著者ははっきりと「あります」と断言していた。
そして、何千何万もエントリーシートが会社に寄せられたら、そりゃ学歴でスクリーニングするでしょなどといったことが書いてあり、最後に、キレイごとはもうやめましょう、学歴差別はあるという現実を認めましょうと結んでいた。
私はそれを読んで、「そうですよね~」と心の中で快哉をあげた。

それに、学歴社会ってそんなに悪なのか、という気もする。
ドラゴン桜で「バカとブスは東大に行け」と言ってたらしいが、けだし名言だと思った。
自分はイケメン・美女でない、スポーツは苦手、絵も描けないし歌も歌えない。
何も取り柄がない。
じゃあ、頑張って勉強して、東大に入りましょう。
勉強は頑張れば、素質に関係なく誰にでもできる。

今の日本の大学ってやたらとアメリカの大学を真似したがるけど、そのアメリカ、ハーバード大やスタンフォード大などの名門大学はみな私立で、入るのも難しければ、学費も年400~500万円とべらぼうに高い(だから通常、アメリカの若者は地元の州立大学に進む)。
それに比べれば、東大の学費は妥当な金額である。
あと、東大の入試問題は出題の仕方が毎年同じで、受験対策が立てやすい。
入学定員は理科1類だけで千人いて、全科類では約三千人と、かなり間口が広い。

そんな東大に入学してしまえば、周囲から一目置いて見られる。
そして、将来の就職先も、かなり選択肢が増える。
雑誌の広告などで、ペンダントの類を売りつけ、これをつけると人生変わりますよと謳っているのをよく見かけるが、そんなのはインチキに決っている。
でも、東大に入れば人生が変わるのは確実だろう。

日本の学歴社会は誰にでもチャンスが与えられた夢の社会である。
これを利用しない手はない。

#ところで、最近大学入試改革が検討されており、こういった日本の学歴社会の良さが削がれるかもしれないと、私は心配している。

芸能界も学歴社会?

私は、芸能界は学歴とは全く無縁な、実力勝負の世界だと、ずっと信じていた。
ところが、ここしばらく、この考えがちと揺らいできた。
もちろん、中卒・高卒で活躍されている芸能人の方は多い。
一方で、結構高学歴の芸能人も、結構多いのである。

一番有名なのは、小椋佳さんが東大法学部卒であることか(その後、東大の大学院に入って、哲学を学んでいる)。
東大からは、他に草野仁さん、香川照之さん、加藤登紀子さん等も出ている。
それに、最近、クイズ番組を見ると、東大生タレントがこれでもかと言わんばかりに、大勢出ている。
小田和正さんは、東北大→早大・院の建築の出身である。
サザンオールスターズは、青山学院大学の学生仲間で結成したバンドである。
いきものがかりの男子メンバーふたりは、それぞれ一橋大学、法政大学の出身である。
「芸能人 学歴」でググれば、その手の例はいくらでも見つかる。

あ、昔「カレッジフォーク」というのが流行ったけど、これって、「大学生のフォークソング」という意味じゃないか。

高学歴の芸能人が多い理由について、私なりに考えてみると、競争の激しい芸能界で生き抜いていくには知恵が必要だろうから、それに学歴が関係するかもしれない。
あと、ミュージシャンになって作詞作曲をするには、頭が良くなければできないだろう。
それから、芸能人が一緒に仕事をするレコード会社社員や芸能プロダクション社員は(たぶん)大卒であって、そういう人達とも一緒に仕事をしていかねばならぬしな。

フランスのお受験事情

フランスでは、高校を卒業して大学やグランゼコールに進もうという人達には、「バカロレア」という全国統一の大学入学認定試験を課せられる。
バカロレアには他にも、技術職を目指す人たち向けの「技術バカロレア」、高卒で就職しようという人たち向けの「職業バカロレア」というのがある。
ともかくそれらどれかのバカロレアを受験するわけなのだが、肝心なのは、そのバカロレアで将来の進路や職業などがすべて決まってしまうのである。
フランスは資格社会なので、バカロレアを取得していなかったら、給与の高い仕事にはありつけない。
だから、高校で成績の悪い生徒には、バカロレアで悪い成績をとるよりはマシと、わざと留年させて翌年のバカロレアに向けて勉強させるくらいである。
そして、大学進学用のバカロレアの試験の中身が大変で、哲学や歴史などを1科目4時間かけて試験するそうである。
だから、受験する生徒たちも必死であり、試験直前には修道院にこもって試験勉強するほどとのこと。

というわけで、フランスは日本より厳しい学歴社会なのである。

http://www.nhk.or.jp/catchsekai/marugoto/2014/05/0526.html

ペーパーテストはそんなに悪いか?

文部科学省が大学入試改革で、ペーパーテストの代わりに面接を行い、多様な価値観・能力・可能性などを持った学生を集めようなんて言っているが…

実際の社会でそんな事やってるのか?
企業の新卒採用で、大勢の学生が応募してくるのに、その人達全員の内面をいちいち見ていられるのか?
エントリーシートで大部分をガサッと落として、少人数に絞り込んでから面接でじっくりセレクションする。
だから、学歴ない成績悪い学生は、いくら人柄とかが良かろうと、エントリーシートの段階で落とされる。
当たり前の話。

学歴や実績などカタチあるものを持っていないとやっていけないのが、社会の現実である。
我々学者の世界でも、論文数が勝負である。

それに、社会人になったら、あれやこれや「書類」を書くことが大変多くなる。
そういう時に、入試の答案が書けない、エントリーシートが書けないという人が使い物になるだろうか?

鳩ノ巣原理

数学に「鳩ノ巣原理」と言われるものがある。

「鳩」と聞くと最近はあの売国鳩を連想してあまりいい気分でないが、話は簡単で、n個の容器に(n+1)個以上のモノを入れようとすると、少なくともひとつの容器には複数個のモノが入っているという、当たり前のことである。
「モノ」が「鳩」で、「容器」が「鳩ノ巣」ということか。
こんな当たり前の話が、数学の問題を考える時に強力な武器となるのである。

例えば、10メートルx10メートルの正方形の空き地に、101本の旗を立てるとする。
すると、お互いの距離が√2メートル以下の2本の旗のペアが必ずできるのである。
これを正攻法で証明しようとすると、結構難しそうである。
しかし、鳩ノ巣原理を使うと、いとも簡単に証明できるのである。
空き地を1メートルx1メートルの小さい正方形のマス100個に分ける。
すると、この小さいマスが「鳩ノ巣」となるのである。
空き地に101本の旗を立てると、少なくとも一つのマスには2本の旗が立つ。
その2本の旗は1メートルx1メートルの正方形の中にあるから、互いの距離は√2メートル以下となるのである。

あるいは、こんな例もある。
xy座標平面の点で、x座標・y座標がともに整数である点を「格子点」とよぶ。
そして、5個の格子点を好きなように取ると、そのうちのある2点で、互いを結ぶ線分の中点がまた格子点となるようなものが必ず存在するのである。
これも、まともに証明しようとすると難しいが、鳩の巣原理を使うとあっさりと証明できる。
今度の場合、鳩ノ巣の役割を果たすのは、下記の4つの格子点の座標のタイプである。
1) (偶数、偶数)
2) (偶数、奇数)
3) (奇数、偶数)
4) (奇数、奇数)
5点の格子点を取ると、上の4タイプのうち少なくともひとつのタイプには2個以上の格子点が属する。
そのとき、その2つの格子点をとると、その格子点のペアが属するタイプがなんであろうと、2点を結ぶ線分の中点はx座標、y座標ともに整数、すなわち、格子点となるのである。

このように、鳩ノ巣原理という極めて当たり前の話が強力な論法となるので、数学というのは何があるのかわからない、奥の深い森なのである。

落第教師

いま私は数学に関する仕事に携わっているが、その割には、学生のとき塾講師や家庭教師で数学を教えることが大の苦手だった。

中学生を教えることが多かったが、方程式4X = 1 が解けないという子供がいるのである。
私はその子に教えた。
両辺に1/4を掛けてごらん。
左辺は(1/4)x(4X) = ((1/4)x4)xX = 1xX = X、右辺は(1/4)x1=1/4となるから、X=1/4 が得られるじゃないか。
そう教えても、生徒は、「うう~ん、わからない」という。
私はもうお手上げだ。
これ以上どうやって問題を解きほぐせばいいのだ?
どうすればその子がわかるようになるのか、私のほうが教えてほしい。

ところで、上で説明したことは、難しく言えば、実数の積の結合法則に基づいている。
要するに、(a x b) x c = a x (b x c) である、掛け算の順序を変えてもいいという話である。
私は、小学校の算数のときからの計算の積み重ねで、そのことを経験的に理解していた。
で、「4X=1」の方程式が解けないという子供は、その「結合法則」を疑ってかかっているのか?
掛け算の結合法則って、実数はそういう性質を満たすという「公理」だったっけ、それとも、別のもっと根源的な公理から導き出せるものなのだろうか?
私は数学基礎論には疎いし、そもそも、数学科の学生でない。
ああ、私はどう答えたらいいのだ?

そういうわけで、私は落第教師であった。

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