激安競争への警鐘か？

関越自動車道での高速ツアーバスの大惨事。

私はこの事故で、「ツアーバス」なるものを初めて知った。
国内旅行は鉄道あるいは飛行機しか利用しないので、長距離バスのことには疎いのだ。
ツアーバスは高速路線バスとは違うものであり、旅行会社がバス会社から観光バスを借り上げて運行するものだとか。
そのため、通常の路線バスに課せられるいろいろな法令・規則の適用外になる。
そして、価格競争が激しい分、バス会社にしわ寄せが来て、運転手に過労を強いるケースが多いと、メディアでは報じている。

ファーストフードから飛行機まで、最近はあらゆる分野で激安商品が売りだされ、マスコミがもてはやし、消費者が殺到する。
私は昨今のこの風潮を苦々しく思っており、デフレを連想して嫌な気分になっていた。
物流コストなどをなるべく小さくして、安い価格で商品を提供しようという企業努力は、よいと思う。
しかし、非常識に安い値段の商品は、どこかで手抜きをしていると考えたくなる。
それが交通機関となると、安全面での手抜きということになり、空恐ろしい話である。
曽野綾子さんが少し前産経新聞のコラムで、格安航空会社の非常識に安い運賃設定に警鐘を鳴らしていた。
まるで、今回の事故を予言していたかのようである。

安けりゃいいと激安商品に飛びつくという行動は、そろそろ控えたほうがいいのではないか。
私はもう、激安商品には手を出さないことにした。
今回事故を起こしたバスは、金沢・浦安間で3500円という運賃だという。
JRや飛行機に比べると、ダントツに安い。
しかし、私はツアーバスには乗らないことにする。

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