SSブログ

政府は外国人参政権を諦めていた

今日発売の「週刊新潮」に、ある意味びっくり仰天する記事が載っていた。
東スポの見出しか!?と突っ込みたくなるような記事が。

それは同誌連載の櫻井よしこ氏のコラム「日本ルネッサンス」であり、そのタイトルはズバリ
政府は外国人参政権を諦めていた
なのである。

どういう話かというと、山谷えり子参院議員(自民)が5月27日に提出した質問主意書に対し、6月4日の閣議で決定された政府答弁に、外国人参政権を認めない旨が記されているのである。

答弁書には、知る人ぞ知る平成7年(1995年)2月28日の最高裁判例を引用して、次のように記されている。
「主権が『日本国民』に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。とすれば、公務員を選定罷免する権利は、日本国民のみをその対象とし、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である」
「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙する。『住民』とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、我が国に在住する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない」
そして
「政府も同様に考えている」
と結んでいる。

重要なのは、外国人参政権問題をややこしくしていた同判例の「傍論」が、答弁書で触れられていないことである。
傍論には、
「地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当」
とあり、判例本論と全く矛盾する。
そして、これが外国人参政権推進論の根拠を与えていた。
しかし、この傍論を書いた園部逸夫・最高裁元判事は、今年、
「戦前戦中派の裁判官は、在日韓国・朝鮮人に対する思い」

「彼らが戦時中に強制連行されたという特殊な事情への考慮」
から「傍論」を書いたと告白している(「強制連行」は史実とは違う)。

閣議決定は政府決定としてもっとも重要な意味を持つ。
最高裁判例をもとに外国人参政権を否定し、さらに、外国人参政権推進論の後ろ盾を与える傍論を全く排除したこの答弁書には、「イラ菅」、「火炎瓶」、岡田外相を含め、全閣僚が署名している。
これは、政府は外国人参政権を認めないと正式に表明したものと言える。

しかし、国論を二分する外国人参政権問題に関して、このような重要な閣議決定が何故、6月4日から今まで公にされなかったのだろう?
しかも、菅首相は6月16日の参議院本会議で、
「民主党は前から実現に拘ってきた。その姿勢に変更はない」
と発言している。
なんなんだ、この二枚舌は?
民主党政権としては、この閣議決定を隠し通したかったのかと、いぶかりたくなる。
その理由は何か?と考えれば…選挙対策か。
確かに、「外国人参政権やーめた」と言ったら、民団は民主党から離れるだろう。
それに、外国人参政権を推進している民主党の支持母体もいくつかある(一方で、UIゼンセン同盟は外国人参政権に反対している)。

外国人参政権を本当に否定するのなら、もちろん結構な話である。
しかし、この民主党政権の変節ぶりには驚かさせる。
私自身、週刊新潮の櫻井よしこ氏のコラムのページを見ながらこのブログを書いているのだが、いまだに半信半疑である。
これで外国人参政権問題は決着したと考えていいのか?
民主党の真意が見えてこない。
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

凍え馬

いいえ、全く決着していません。
なぜなら、現在の日本において、外国人参政権を確立する道はまだ残されているからです。
主には…
・二重国籍
・人権侵害救済法案の悪用。(※)
(・憲法改正) など
(※)は、単純に言えば、選挙時に、外国人に対して都合の悪い候補などを排除するとか、そういった主張をした候補を支持した者を人権侵害として「友愛」してしまうことなどで、結果的に外国人参政権があるのと変わらない状態にしてしまうことです。

ネタですが、これは皮肉ながら面白い…(今だから笑っていられるかも…)
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E5%8F%8B%E6%84%9B%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A
確かに民主党の問題点をピンポイントで狙い撃ちしたような内容です。
by 凍え馬 (2010-07-22 23:56) 

聖Judyのほうき星

御意。
仰せのとおり抜け道はいくらでもありますね。

それから、櫻井よしこ氏のコラムの後半では、民主党は法令無視、前言を平気で翻すという性向があるということに触れています。
政治主導の象徴として設立された国家戦略室を早くも縮小する件もそう。
仙谷官房長官が日韓基本条約を無視して、個人補償を検討している件もそう。
閣議決定にしても、民主党政権はその重みをどれだけ考えているのやら。
政府答弁書に、革マル派は左翼過激派であり、JR総連・JR東労組に相当浸透しているということを記すと閣議で決定しながら、そのJR総連から民主党比例候補を擁立しているから、開いた口がふさがりません。
だから、閣議決定で外国人参政権を諦める一方、国会では外国人参政権は依然として進めるなんて、平気で発言するのでしょう。

櫻井よしこ氏が週刊新潮にこのことを書いたのは、民主党政権に、あなた方は外国人参政権を否定することを閣議決定したんですよ、と釘をさそうとしてたのだろうと考えています。
それにこの事実が広く国民に知られたら、外国人参政権を進めようとするとき、ある程度牽制力になるとは思います。
by 聖Judyのほうき星 (2010-07-24 01:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。