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TPPの毒のひとつ、ISD条項

以前当ブログで紹介した「慰安婦の嘘は許しません!なでしこアクション2011」(http://sakura.a.la9.jp/japan/ )に、当ブログも賛同ブログとして加わることになった。

さて、TPPの話で「ISD条項」というキーワードをよく耳にするが、それは何かと調べてびっくり、とんでもない話である。
以下、その説明。

"ISD"は"Investor-State Dispute"の略、「投資家vs国家紛争解決」条項であり、NAFTA(北米自由貿易協定)、そして、この前の米韓FTAにも盛り込まれた。
そして、TPPでも米国が最も強く導入を主張すると考えられ、危険性が強く懸念されている。
どういう条項かというと、ある国で外資系企業が営利活動を行おうとして、その国で定めている規制等で活動が制限される場合、その国を外資が訴えることができるというのである。
訴訟の場は国際投資紛争解決センターなどの第3者機関であり、そこで数名の仲裁人が判定を下すのであるが、審議は非公開、判定は強制力を持ち、上訴不可。
判定の基準は、訴えられた国の政策妥当性などでなく、外資が公正な競争を阻害されたか否か、その1点である。
こんな話、一企業による国家主権の侵害、内政干渉じゃないか!と憤る。
また、人権侵害救済法案を国際規模でやってるんじゃないかというイメージさえ、抱いてしまう。

実際、カナダはNAFTAのISD条項で煮え湯を飲まされている。
従来カナダではガソリンの添加物としてある神経性有害物質を加えることを規制していたのであるが、それを米国の一燃料メーカーが「差別的である」と訴え、3億5千万ドルの損害賠償をカナダ政府に請求したそうである。

だから、日本がTPPに参加して、それにISD条項が加えられたら、日本の国民・企業を守るための様々な規制が米国の外資に「差別的だ」と訴えられ、撤廃させられるおそれがある。
とんでもない農薬を使った農産物、遺伝子組み換え食品などが、日本にどんどん入ってくるぞ…

今日のブログ、いろんな方が引用等している、あおぞら銀行の前田氏のレポートを参照した。
ttp://www.asyura.us/bigdata/bigup1/source/188.pdf
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コメント 2

凍え馬

この「ISD条項」について、賛成派はこう言うのです。「ISD条項は"相互"に適用される。すなわち、米国企業が日本を提訴できると同時に、日本企業もアメリカを提訴できるのである。」
ならば、賛成派に問いたい。「本当に日本企業がアメリカを提訴して、勝訴することができるの? 現にNAFTAに加盟しているカナダの企業が、アメリカを提訴して勝った例はあるのか?」
私は聞いたことがありません。どうせ、条文上は「双務的規定」だとしても、実際に始まれば一方的になるとしてもおかしくはありませんね。
現に、日本企業の進出に対し、欧米では日本バッシングが起こったわけですから、日本に不利な判決を連発してもなんら不思議ではないですね。
by 凍え馬 (2011-11-01 22:51) 

聖Judyのほうき星

コメントありがとうございます。
仰せのとおり、日本企業がアメリカ相手に提訴して勝てる見込みはないでしょうね。
それから、米韓FTAでは、驚くなかれ、ISD条項は韓国のみに適用される、すなわち、米企業が韓国を訴えることはできるが、韓国企業が米国を訴えることができないのです。
by 聖Judyのほうき星 (2011-11-01 23:51) 

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