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ブータン王妃の涙

昨日に続いて、月刊誌「WiLL」2月号の記事からです。

先日ブータン国王御夫妻が来日されたことが大きな話題になりましたが、御夫妻に通訳として同行したペマ・ギャルポ氏がその時のことを「WiLL」に書いています。
ちなみに、ペマ・ギャルポ氏はチベット出身、現在は日本に帰化しており、中国のチベット弾圧問題に関する論客として知られています。

まず特筆すべきこととして、ブータン国王御夫妻は僧侶3人を伴って来日されたのです。
これは私も初めて知りました。
この僧侶は東日本大震災の犠牲者の慰霊、そして復興祈願のために同伴したとのことで、日本から公的に招待されていないので、旅費はブータン側が負担したそうです。

国王御夫妻が福島県相馬市を訪問されることについては、放射能に対する懸念があったそうですが、
「日本との連帯を表すために来日しながら、福島を訪れずに帰る訳にはいかない」
という国王のご判断で最終的にゴーサインが出されたそうです。
その相馬市の小学校で、国王御夫妻は児童たちと親交を深められました。
帰り際、王妃が国王に
「今度日本に来たら、必ずもう一度この小学校に来ましょうね」
と囁かれたら、国王は
「それは、あなたの口から自分で言いなさい」
と王妃に仰ったそうで、王妃はすぐご自身で子供たちに
「またこの学校を訪問したい」
と仰ったとのことです。

大震災被災地では、同伴した僧侶が読経をあげ、それと一緒に、国王御夫妻も祈りを捧げられました。
相馬市長が御夫妻に、地震・津波の被害の実態を、被災前・被災後の写真パネルを見せながら説明しました。
そして、146名が命を失い50数名の子供たちが親を失ったことを聞いた王妃は、とても悲痛な表情を浮かべていました。
次の訪問地への車中、王妃は涙を流されたとのことです。

ブータンの話題になると「国民総幸福量(GNH)」という言葉が出てきます。
これは、礼節を重んじ伝統を守るブータンの国民性のことだと、私は考えます。
幕末に日本を訪れた欧米人は、日本人は必ずしも豊かでないけど高潔な精神性をもっていると感嘆したそうです。
それと同じではないでしょうか。
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